非劇場型の上映について
映画・映像の生態系
さてMUJINTO cinema CAMPのチケットが無事完売しました!
2015年に始まったMUJINTO cinema CAMPは一番最初思いついてやろうと決めたのは2015年の8月初旬頃でした。
中旬にようやく下見に行くことができて、開催が当時は10月だったので構想からプレスから何から何まで1ヶ月と半分くらいしかありませんでした。
特に当時はまだ法人でもなければ、僕自身東京に来て1年ちょっと。
基本的に準備はすべて一人。。
前日の会場準備も初回は音響担当の女の子とカメラマンの友人と今コンストラクトにいてくれている井上と4人でやりました。
決済システムも特に導入することもなく(あまり知らなかったし深く考えていなかった・・)僕の個人口座に振り込んでください!・・・という・・・怪しさ満点。今考えればよく振り込んでくれたなぁ・・・
とにかくやってみよう。
そこに巻き込まれてくれたみなさんのおかげでなんとか開催することができました。(大変ご迷惑もおかけしました!)
そして今年2017年は正午にチケット販売開始となり夕方には完売となりました。
開催決定の時から企業・個人の方問わずたくさんのご連絡を頂き、スタッフ券・パフォーマンス券も即完売となり、本当にありがたい状況となっております。
現在約30名の運営チームとその他スタッフを含めると総勢60名を超える大所帯に。
それでもやはり総トータルの人数はまだ拡大しないことが目標でしたので、参加をご検討してくださっていた方で購入できなかった方本当に申し訳ありません。
きちんとコアを作ってその組織をきちんと育てていきたいと思っています。
現在運営チームには随時運営方法やデータなども公開しています。
将来イベントを自分でやってみたいと思ってスタッフ参加していただいてる方もいらっしゃるのでその辺りのノウハウもできるだけお伝えしていくようにしています。
運営という意味では、動員が増えれば広告などでの資金調達や動員数そのものなどでの広告もできるかも知れません。
お金があれば、驚くようなものも作れるかも知れません。
ただ、コンストラクトがやっていきたいことはそもそもその逆からだと思っています。
(村を作りたいわけではないので、マスへの意識はきちんとあります。ただ流れの話です。)
コアを作って面白くなっていくから人が集まって、そこに経済活動が生まれる。
現在のトップダウンの仕組みで投資を回収するためにリスクの少ない選択肢を選ぶことは当然のことだと思いますが、そうなるとやはり消費していくしかなくなってくる。
コンストラクトが作りたいのは生態系です。
映画・映像の生態系。その業界の人々の生態系。
そこで一番大切なのは『活かす』という仕組みだと思ってます。
それは概念でもあり場所でもある。そうしてサイクルを作りたいと思っています。
非劇場型の上映について
MUJINTO cinema CAMPの上映作品第1弾は『パプリカ』に決定しました。
先日情報解禁となりお知らせもさせて頂きました。
苦戦しました。
上映できる作品が本当に少ないのです。
(C)MADHOUSE/Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc.
劇場型・非劇場型
まず映画を上映するということは劇場、いわゆる映画館での上映と非劇場の映画館以外での上映に大きく分けられます。
映画館での上映については、制作された作品が配給会社を通して映画館で上映されて行くのが基本ですが、映画館の上映システムは最低こんな音響じゃないとダメだよとシステム基準があったりするので、まあある程度は上映が保証されています。
一方非劇場型の上映となると基本的に上映イベントとなるので映写機も音響も防音設備もない場合がほとんどかと思います。
つまりどんな状況で上映されるかもわからない。
システムももちろんですが、有料 or 無料?
有料だとすると金額はいくら?
観る人数は?固定の座席がない場合何をもってして人数を決めるの?
映画や映像は物質ではありません。
そのぶん、やはり難しいことも出て来ます。
結果、ほとんどの作品が上映することができません。
上映会などの申請
また非劇場型の上映に関して、特に海外の作品となるとその権利をムービーマネジメントカンパニーという会社さんが権利をまとめてくれています。
なので基本的にはこちらを通して許諾をもらうという仕組みです。
(個人での申請はどの辺りまで可能かどうかはわかりません。もし何かあれば弊社でもご相談にのりますのでご連絡くださいませ。)
日本の作品だとその権利が割とフレキシブルに交渉することができたりもしますが、海外作品 に関していうと権利元の規約以外であると基本的に上映できません。
野外上映禁止・有料上映禁止など多々あります。
上映システムや環境を一律化できない以上全ての案件に対応することも難しいでしょうし、その辺りは少ししょうがない部分もあるのかなとは思いますが、それにしてもかなり厳しいのが現状です。
また非劇場型を推進する理由もそもそも権利元にはあまりないですし。
野外上映イベントなどでの上映作品が似てしまったりすることがあるのはそもそも権利の問題もあるのです。
なぜ上映させてもらえないのか
海外作品も日本の配給会社などが代行しているわけですが現在当たり前のように許可できませんとの反応なわけです。
それは何故なのかをこれから少しずつ調べていきたいと思ってます。
大きな企業ですので、窓口になってくださった方ややりとりをしてくださった方がその許可をできないのはもちろんそうだと思う。それはしょうがないのですが、その人も何故許可できないのか本当の具体的なことって考えてんのかな。
何が問題なのか。それをクリアすれば許可されるのか。そもそも非劇場を排除していきたいのか。
僕は映画は映画館でという言葉にずっとすごい違和感を感じてました。劇場運営してた時からずっと。
いつまで同じこと言ってんだろうなと。
僕がいたのは地方ミニシアターで、映画館の前を通る人の何パーセントが上映作品知ってるのかな。そもそもここが映画館だと意識しながら歩いてる人って何パーセントだろうなと。劇場の人はまずそれさえ考えてないような状態だった。そんなことも考えずに具体的な人物像もない人に対して宣伝したってどこの人がどうやって映画館に来るんでしょう。
映画っていう大きな円があって、どうやったらそこに入ってきてくれるのか、どうやったらそこで生産ができるのか。
それを育てずに市場が縮小して映画離れどうしようって。。
映画という市場について
基本的に今現在大きく映画という市場は映画館というものが当然のことながら大きく関与しています。
その他はDVDやブルーレイのレンタルや販売・最近だと配信サービスなど。
それ以外のところは本当に小規模です。
だけど最近少しざわざわしてきてる。
本当はみんな気がついている。それだけではもう成立しないこと。
現状地方の小さな映画館・シネコン・ハリウッドなど映画市場の仕組みにはもっともっと細かな多様性が必要です。それでも小さな映画館にもその仕組みの中で動かなければならないことも多々あるのです。
地方のミニシアターはこのままだと絶対に成立しない。
少しずつ準備しています。生態系のシステム。
制作する人も俳優も劇場もみんなで少しずつ変えませんか。
どんなことでも良いです。そう思ってくれる方と話がしたい。
メールでもジャムスタンドコーヒーでもイベント参加でもなんでも良いので是非少しずつ動かしていきましょう。
それでは、またMUJINTO cinema CAMPの状況なども書きます!
三宅